2020年9月28日月曜日

キミだけのストーリーを伝え、推薦入試で勝つ

エントリーシートの作り方を学ぶ

こんにちは。今回は推薦入試対策についてです。

推薦入試は中学・高校・大学入試のいずれでも採用されている選抜方法です。

どの入試でも推薦入試のエントリーシートの書き方はほぼ同じです。

今回は大学入試のエントリーシート作成方法を書いていますが中学・高校入試対策にも当てはまります。ぜひ参考にしてください。



過去・現在・未来をストーリーにして伝える。

それでは、エントリーシートの書き方について確認をしていきましょう。

エントリーシートや面接の質問で聞かれることはおおむね

  1. 在学中に何に力を入れて、学んできたか
  2. 進学希望先の学校で何を学びたいか
  3. 将来の夢について

であり、①~③を1本の線にし、ストーリーにすると試験官に伝わりやすくなります。

それでは県立高校に通う

  • 高校3年生Sさん
  • 吹奏楽部
  • 心理学部を志望
  • 将来の夢はまだ未定
を仮定して、どのようにエントリーシートを作っていくかをみていきましょう。



試練を通して学んだことを伝える。

①「在学中で一番力を入れた活動は何ですか」という問いは何を聞いているのでしょうか。


上記問いに対しての回答例として多くの学生が

  • 吹奏楽部でパートリーダーとして部員をまとめました。
  • 合唱コンクールの委員としてクラスをまとめました。
  • 英語学習に力をいれ、英語ディベート大会に出ました。
などのとても良い経験を書いてくれます。

この「力を入れた活動」で、彼らは多くの試練を経験したのではないでしょうか。


この①の質問は「あなたが力を入れた活動の中で発生した困難を、どのような方法で乗り越えましたか。そこから何を学びましたか」を聞いています。

上記は

  1. 在学中に力を入れた活動
  2. 活動中にぶつかった壁と乗り越えた方法
  3. そこから学んだこと、今後に生かしたいこと
の流れで書くと、具体→抽象で表すことができます。

とても有効なテクニックなので、ぜひ覚えてください。

「困難から学んだこと」「それをどう生かすか」という部分で試験官はあなたの人間性と思考回路を見ています。

飾らず、素直に、しかし丁寧に表現してみましょう。


(回答例Sさんの場合)

<①高校生活で最も力を入れた活動は何ですか。>
 
わたしが最も力を入れて取り組んだことは吹奏楽部の部活です。
3年ではパートリーダーとして部員をまとめました。
私は高校から楽器を始めたので、最初は練習についていくのが大変でした。
諦めそうになった時に、当時のパートリーダーの先輩が優しく声をかけてくれました。
その言葉が嬉しくて、「先輩みたいに困っている後輩に声をかけられるパートリーダーになりたい」と思うようになりました。

努力のかいあって、3年でパートリーダーにはなれたのですが、最初はなかなか思うようにまとめることができませんでした。
ある時、同じパートでケンカをしている部員がいました。
それを目にしたときは、どうすればよいか分からず混乱してしまいました。
しかし、自分は先輩から声をかけてもらい、勇気づけられたことを思い出しました。
奮起して、一人ひとりから意見を聞いてみることにしました。
そうすると、それぞれ楽器に対して真剣に向き合っているけれど、見えているものが違ったので、すれ違いが起きていることが分かりました。

そこで、それぞれの意見を、それぞれの立場を説明したうえで双方に伝えました。
すると、二人とも納得し、逆にお互いを認め合うようになりました。
最後の定期演奏会で二人が「ありがとう」と言い合う姿は一生忘れないと思います。

この経験を通して、話をきくことの重要性を学ぶことができました。
また、コミュニケーションについても興味を持ちました。



志望理由と志望大学の特色

②「進学希望先の学校で何を学びたいか」という問いは何を聞いているのでしょうか。

この問いは「受験生の学びたいこと」を聞いているのと同時に「志望校の特色を理解しているか」を確認しています。

なので、この問いには貴学は〇〇という独自性があるので~を学びたい私にとっては貴学が最も適していると伝えたいところです。

  • フィールドワークなどの独自カリキュラム
  • 教授陣
  • 留学支援制度
など、大学が力を入れている点が自分の学びたい点に合っていることを伝えましょう。

志望理由の書き方

志望理由には「なぜ、その学問を学びたいと思ったか」を必ず書きます。

志望理由書には、

  1. その学問に興味を持ったキッカケ
  2. その学問を通してどんなことを学びたいか
  3. 貴学がその学問を学ぶにあったて最適な理由
  4. だから、貴学を志望している
という流れで書くと、スッキリします。

上記例のSさんについてみていきましょう。

Sさんは心理学部を志望しています。
心理学に興味を持ったキッカケは、部活動でコミュニケーションの重要性に気付いたからです。
コミュニケーションについて調べてみると、コミュニケーション心理学という分野があることに気が付きました。
そこで、その分野を学ぶことができる大学を調べ志望することにしました。
コミュニケーション心理学を学ぶことができる、数ある大学の中でSさんはA大学に願書を出すことにしました。
A大学の独自カリキュラムが非常に魅力的だったからです。
オープンキャンパスにも足を運び、先輩に話を聞いたり、模擬授業を受けたりすることで、ますます行きたくなりました。
Sさんはキャンパスに通う姿を想像してワクワクしたようです。

以上のことを、上記の志望理由書の書き方の流れに沿って表現してみましょう。




夢を叶えるために学校生活をどう過ごすか

③「将来の夢・希望は何ですか」という問いは何を聞いているのでしょうか。

この問いは「どんな大人になりたいか」「学んだことを社会でどう生かしたいか」を聞いていると同時に「なりたい将来像に近づくためにどのように大学生活を過ごしますか」と聞いています。

もう一度Sさんの例を見てみましょう。

Sさんは部活動経験から「コミュニケーションは人同士の摩擦をスムーズにする力がある」ことを知りました。

そこからコミュニケーション心理学に興味をもち大学で学びたいと考えました。
そして、その知識を社会で生かしたいと考えています。

では、コミュニケーション心理学をいかした仕事とはどのようなものがあるでしょう。

それは高校生のSさんにはまだ難しい問いですよね。

なので、大学生活を通して、

  • コミュニケーション心理学の知識を生かせる仕事
  • 自分が何に向いているか
を探せばよいのです。

そのために、学生生活をどのように過ごすかを書きます。

大学生活では

  • フィールドワーク
  • ボランティア
  • 留学などの異文化との接触
など数多くのことにチャレンジできます。

ここでも、大学が力を入れている点と重ねることができると良いですね。


キミだけのストーリーを伝える

これまで見てきたように①~③は一本の線にすることができます。

Sさんの場合は

  • 部活を通してコミュニケーションに興味を持ち
  • 心理学でコミュニケーションを学ぶために大学を選び
  • その知識を社会で生かす
という流れです。

「そんなにハッキリとしたやりたいことや目標がない」と思った人も大丈夫です。

なぜなら、みんな最初はどうしたらよいか分からない状態でエントリーシートを書き始めるからです。

エントリーシートを書き進めることで、一本の筋が見えてくるのです。

自分の力でストーリを作った経験はその後の人生で一生役立ちます。

入試の準備をしているのに、人生のお役立ちスキルを得られるなんてこんなに良いことはありません(笑)

エントリーシートを一緒に作成する講座もあります。

怖がらず、ぜひご自身の可能性と向き合ってください。素敵な未来に繋がることを祈ってます。


参考文献:

総合推薦入試 竹内麦村著(Gakken)
推薦入試・AO入試志望理由書・自己推薦書の書き方 河合塾講師著(河合出版)



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